2018年3月11日(日)
阪神競馬11レース(15時35分発走)
第52回 報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)
阪神芝1400m(内回り)3歳牝馬限定
《追い切り後展望》
芝1400mのレースという事もあって、スピード色の濃い馬が大半を占めている状況の中、最も良い形の最終追い切りを消化したのは関東馬・モルトアレグロで、美浦Wコース4ハロン52.7秒という上々の時計を楽な手応えでマークしました。デビュー前から見栄えのする動きを見せていた馬ですけど、キャリアを積み重ねるにつれてスケールアップした印象がありますし、今回も良い状態でレースに出走する事ができそうです。モルトアレグロと遜色ない動きを見せたのは2戦2勝のアンコールプリュ。こちらも栗東CWコース4ハロン52.6秒という水準以上の時計を余裕に叩き出していますので、キャリアが浅いからといって侮ってはいけない存在になっていると思います。4ヶ月の休み明け初戦となるアマルフィコーストは栗東坂路4ハロン55.1秒という平凡な時計ながら、終いのキレ味は抜群でしたし、栗東坂路で軽快な動きを見せたアリア、栗東CWコースで負荷のかかる追い切りを消化しているアンヴァル、オルフェーヴルの全妹・デルニエオールといったあたりも良い意味で3歳馬離れした動きを最終追い切りで披露しています。
《追い切り後見解》
1枠2番 デルニエオール(岩田康誠騎手)
牡馬クラシック三冠(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)などGⅠレースを6勝したオルフェーヴル、グランプリ連覇(宝塚記念・有馬記念)などGⅠレースを3勝したドリームジャーニーの全妹という超ド級の良血馬で、フィリーズレビューと同距離の500万下条件を勝ち上がり、重賞レース初出走を果たす事になりました。前向きすぎる気性の持ち主ですから、レース当日の落ち着き具合が大きなポイントになりますけど、キャリアを積み重ねるにつれてイレ込みがマシになっていますので、今回もパドックでテンションが上がりすぎていなければ、骨っぽいメンバーがそろっている中でも好勝負に持ち込めると思います。
3枠6番 アマルフィコースト(浜中俊騎手)
昨年11月のファンタジーステークス3着以来、約4ヶ月ぶりに戦列復帰を果たす事になったダイワメジャー産駒。フィリーズレビューと同コースの阪神芝1400mで行われた新馬戦では他馬とのスピードの違いでハナに立つ競馬を敢行しましたが、新馬戦以降の2戦では中団で構える競馬を試み、脚質転換に成功しています。休み明け初戦ですから、余裕残しの状態でフィリーズレビューに出走する事になりそうですけど、先行一辺倒の脚質から脱却していますので、どんなレース展開になっても対応できますし、前走・ファンタジーステークスでも勝ち馬と0.1秒差の接戦に持ち込んでいるのですから、ファンタジーステークスと同距離のフィリーズレビューで上位争いする事になっても全く驚けないと思います。
4枠7番 モルトアレグロ(田辺裕信騎手)
ラッキーライラックが圧倒的な強さを見せた昨年末の阪神ジュベナイルフィリーズで5着に踏ん張っているほか、フィリーズレビューが行われる芝1400mで2戦2勝という好結果を残しているスパイツタウン産駒の外国産馬。血統的にはダートが合いそうなタイプですけど、実際に走る姿を見てみると、芝向きの素軽い走りを見せていますので、同い年の牝馬限定戦であれば、芝レースにも対応できるのでは?と考えています。最終追い切りでもケチのつけようがない動きを披露していましたし、1400mという距離もピッタリですから、スムーズなレースができれば、高い確率で上位争いに食い込んでくる事でしょう。
5枠9番 アンコールプリュ(藤岡康太騎手)
瞬発力勝負で圧倒的な強さを発揮しているディープインパクト産駒ならではのスパッとキレる末脚をウリにしている2戦2勝のアンコールプリュがフィリーズレビューで重賞レース初出走を果たします。これまでは追い切りで見栄えのする動きを披露できなかったのですが、今回の最終追い切りでは過去のレース以上に内容の濃い調教を敢行していますので、前2走よりもパフォーマンスを跳ね上がる可能性があります。ただし、前走・つわぶき賞(500万下)ではスタートで後手を踏んでいましたから、ゲートを五分に出る事ができるのか、というところが大きなポイントになりそうです。
7枠15番 コーディエライト(和田竜二騎手)
2走前のファンタジーステークスでアマルフィコーストに先着しただけでなく、牡馬相手のGⅢ・新潟2歳ステークスでも2着に入るなど、マイル付近の重賞レースでまずまずの結果を残しているダイワメジャー産駒・コーディエライトがフィリーズレビューで年明け初戦を迎えます。マイペースで先行して粘り切る、というスタイルを貫いているタイプですから、今回も逃げ・先行馬向きのレース展開になるのかどうか、というところが最大のポイントになりますけど、前走・阪神ジュベナイルフィリーズの13着はあまりにも負けすぎですので、レース展開が向いたとしても、他馬との実力差で馬券圏外に敗れるケースも十分考えられます。
《最終予想オッズ》
①人気 モルトアレグロ 3.4倍
②人気 アンコールプリュ 3.9倍
③人気 アマルフィコースト 4.7倍
④人気 デルニエオール 7.6倍
⑤人気 コーディエライト 10.3倍
⑥人気 アンヴァル 12.7倍
⑦人気 リバティハイツ 19.4倍
⑧人気 アリア 25.1倍
⑨人気 アルモニカ 26.9倍
⑩人気 ラブカンプー 45.8倍
《展開予想》
内枠からアンヴァル、マドモアゼル、コーディエライト、ラブカンプーといった徹底先行型ズラリとそろっていますので、どの馬がハナを奪うにしても極端に遅いペースになる可能性は低く、平均よりも速いラップを刻んでいくのでは?と予想しています。フィリーズレビューが行われる阪神芝1400mは直線が短い内回りコースを使用しますけど、速いペースになる可能性が高いので、逃げ・先行馬にとっては辛い展開になる一方、差し・追い込み脚質の馬にとっては絶好の展開になりそう。先行一辺倒の馬よりも差す競馬で良い結果を残している馬から馬券の軸にピッタリな馬を選んでいきましょう。
《フィリーズレビューの最終1着予想》
リバティハイツ
混戦必至のメンバー構成になっていますけど、5/8の抽選をくぐり抜け、フィリーズレビューへの出走権を獲得したこの馬を中心視します。母がアメリカの芝中距離GⅠを2勝している事もあってか、デビュー前から大きな期待が懸けられていた逸材で、新馬戦こそ3着に敗れたものの、2戦目の未勝利戦できっちりと勝ち上がり、前走・500万下でもデルニエオールに次ぐ2着を確保するなど、キャリアを積み重ねるにつれて徐々にレース内容が良化しています。前走で先着を許したデルニエオールが今回も出走している点がどうか、という思いはありますが、この馬の強烈な差し脚が活きるハイペース展開濃厚という状況であれば、骨っぽい相手でも互角以上の走りを見せてくれるのでは?と期待しています。