2018年2月17日（土）
京都競馬11レース（15時35分発走）
第53回 京都牝馬ステークス（GⅢ）
京都芝1400m（外回り）4歳以上牝馬限定・別定
《追い切り後展望》
12頭という少頭数のレースになりましたが、最終追い切りで素晴らしい動きを見せる馬が多くなっていますので、年始の京都開催の締めくくりにふさわしい好レースを見せてくれるのでは？と期待しています。最終追い切りで最も良い動きを見せていたのは栗東坂路4ハロン54.5秒・ラスト1ハロン11.9秒という時計をマークしたミスパンテールです。前走の最終追い切りは道中でもたつく場面があったのですが、今回はタフな坂路を真っ直ぐ駆け上がっていましたので、前走よりも状態が上向いているのは間違いない、と考えています。年明け始動戦となるワンスインナムーンも美浦坂路4ハロン50.6秒（14日の一番時計）という抜群の時計を叩き出し、ミスパンテールと遜色ない動きを披露していますので、休み明け初戦でも侮れない存在だと思います。一方、短距離重賞で豊富な実績を誇るソルヴェイグは栗東坂路4ハロン52.5秒という水準以上の時計をマークしているものの、動きそのものはそこまで良く見えなかったので、良い意味でも悪い意味でも前走と調子が変わっていない、とジャッジしています。他では、1600万下条件戦を勝ち上がったばかりのエンジェルフェイスとデアレガーロはともにコース追いになりましたけど、好調子である事をうかがわせる動きを見せていましたし、格上挑戦という立場ですが、栗東坂路のラスト2ハロンで23.8秒というゴールドドリーム（フェブラリーステークス出走予定）を上回る時計を叩き出したオーヴィレールも激走の気配が漂っています。
《追い切り後見解》
2枠2番 ワンスインナムーン（石橋脩騎手 55kg）
昨年のスプリンターズステークスで勝ち馬・レッドファルクスから0.1秒差の3着に入り、短距離重賞でも好勝負できる事を既に証明している5歳牝馬・ワンスインナムーン。前走・香港スプリントは相手がかなり強すぎましたので、ブービーの12着に敗れてしまったのは致し方無い事だと思いますし、前年の京都牝馬ステークスでレッツゴードンキに次ぐ2着を確保していて、最終追い切りの動きも上々だった事を考えると、今回は前走大敗からも巻き返しが期待できる状況ですが、基本的には芝1200mが向くタイプですから、ゴール板手前で息切れしてしまい、他馬に足元をすくわれる可能性も頭の片隅に入れておく必要があると思います。
3枠3番 ソルヴェイグ（M・デムーロ騎手 54kg）
3歳時に重賞を2勝（フィリーズレビュー・函館スプリントステークス）しているだけでなく、2016年のスプリンターズステークス3着や2017年のキーンランドカップ2着など、短距離重賞で何度も好走した実績を持つ現役屈指の快速馬です。2走前・オパールステークス（OP）で1分07秒5という好タイムを叩き出し、1年4ヶ月ぶりの勝利を挙げていますし、芝1400mの重賞も既に勝っている馬ですから、前走から200mの距離延長も全く問題ないと思います。ただし、ソルヴェイグは高速馬場で本領発揮するタイプなので、降雨等の影響でかなり荒れている今の京都芝コースだと、パフォーマンスを一気に落とす可能性があります。M・デムーロ騎手騎乗で上位人気する事になりますけど、最終追い切りの動きもイマイチでしたし、馬券圏外に負ける事も視野に入れておく必要があるのではないでしょうか。
4枠4番 ミスエルテ（川田将雅騎手 54kg）
現役時代に14戦無敗（うちGⅠを10勝）という驚異的な成績を残した欧州競馬の怪物ホース・フランケルの産駒である事はもちろん、栗東の名門・池江泰寿厩舎に所属していた事もあってか、デビュー当初から大きな注目を集めていましたが、デビュー2連勝でGⅢ・ファンタジーステークスを制してから、5戦連続で馬券圏外に敗れてしまい、一気に評価を下げています。近走で見せ場なしの完敗が続いていますので、今回も厳しい戦いになる事が予想されますけど、初めて重賞を勝ったファンタジーステークスと同じ京都芝1400mの牝馬限定戦であれば、近走不振からの一変があっても不思議ではない、と考えています。
8枠8番 ミスパンテール（横山典弘騎手 55kg）
1着から5着までの差がわずか0.1秒、という大接戦となった前走・ターコイズステークスで重賞初制覇を果たし、充実期に差し掛かっている事をアピールしてみせたダイワメジャー産駒が重賞連勝を狙います。ターコイズステークスよりも斤量が2kg増える点がネックですけど、栗東坂路で行われた最終追い切りの動きは目を見張るものがありましたし、前向きすぎる気性の持ち主で、道中の折り合いに不安があるタイプでもありますから、初距離の1400mも問題ないのでは？と予想しています。荒れ気味の京都芝コースへの対応がカギになりますが、今の充実っぷりなら荒れ馬場を楽に克服する可能性も十分あると思います。
8枠12番 エスティタート（武豊騎手 53kg）
マイルのハンデ重賞・中京記念を2連覇したフラガラッハの半妹で、前年の京都牝馬ステークスでも勝ち馬から0.3秒差の4着に健闘するなど、準オープンの身でありながら、牝馬限定重賞で上位入線した実績を持っているドリームジャーニー産駒です。前走・石清水ステークス（1600万下）は中団前めの好位から差し切りを狙ったものの、楽なペースで逃げていた馬の前残りを許してしまいました。約10ヶ月もの間勝ち星から見放されているように、肝心なところで詰めの甘い面を見せる馬ですから、今回も勝ち切れない面を見せてしまうかもしれませんけど、1年前よりも器用なレースができるようになっていますので、2着か3着に粘り込む可能性は捨てきれないと思います。
《最終予想オッズ》
①人気 ソルヴェイグ 2.8倍
②人気 ミスパンテール 3.2倍
③人気 ワンスインナムーン 4.1倍
④人気 ミスエルテ 6.8倍
⑤人気 エスティタート 11.1倍
⑥人気 ヴゼットジョリー 17.6倍
⑦人気 デアレガーロ 17.8倍
⑧人気 エンジェルフェイス 24.6倍
⑨人気 サザナミ 60.1倍
⑩人気 オーヴィレール 78.5倍
《展開予想》
前走・スプリンターズステークスでハナを奪ったワンスインナムーンが逃げ馬の候補になっていますけど、アリンナやソルヴェイグ、タマモブリリアンといったあたりもハナを奪えるスピードを持っていますので、どの馬が逃げるにしても極端に遅いペースになる可能性は低く、平均よりもやや速いペースでレースが流れていくのでは？と予想しています。先週の京都芝コースの傾向を見てみると、上がりの掛かる馬場状態になっていて、遅めのペースになった場合は逃げ・先行馬に有利な展開になるものの、平均よりも速いペースになった場合は逃げ・先行馬がバテてしまい、差し・追い込み脚質の馬が台頭する、というケースが目立っていましたので、平均よりもやや速いペースになりそうな今回は差し・追い込み脚質の馬を中心にした馬券作戦を組み立てる事をおすすめします。
《京都牝馬ステークスの最終1着予想》
デアレガーロ
3歳時のフラワーカップ11着以来、2度目の重賞レース出走となるこの馬を中心視します。今回初めて関西圏への長距離輸送を経験する事になりますので、レース当日のパドックでイレ込んでいるのかどうか、というところをチェックする必要がありますけど、最終追い切りで素晴らしい動きを披露していますし、鮮やかな勝ちっぷりだった前走の走りを再現する事ができれば、牝馬限定重賞でも好勝負に持ち込めるはずです。短距離色の濃い血統の持ち主ですから、前走から200m距離が短縮される点も問題ありませんし、一発があっても驚けない存在だと思います。
