2018年2月25日(日)
阪神競馬11レース(15時35分発走)
第62回 阪急杯(GⅢ)
阪神芝1400m(内回り)4歳以上・別定
《阪急杯のレース展望》
2018年の阪神競馬開幕週のメインレースは春のスプリント王決定戦・高松宮記念の前哨戦である短距離重賞・阪急杯!2006年から芝1400mのレースに生まれ変わった阪急杯ですけど、ローレルゲレイロやミッキーアイルといったGⅠホースのほか、現在種牡馬として大活躍している世界的名馬・ロードカナロアなど、短距離戦線の一時代を築いたスプリンターが勝ち馬として名を連ねている出世レースですから、今年の阪急杯から歴史に名を残すようなビッグホースが出現するかもしれませんね。今年の登録馬の顔ぶれを見てみると、スプリンターズステークス2連覇中のレッドファルクスや昨年末の阪神カップで1番人気に支持されたモズアスコットのほか、定年が間近に迫っている福島信晴厩舎のエース格として活躍している武豊騎手騎乗のダイアナヘイローなど、現役屈指のスピードホースが勢ぞろいしている一戦ですので、今年も手に汗握る好勝負を展開してくれるのではないでしょうか。
《予想オッズ》
①人気 レッドファルクス 2.5倍
②人気 モズアスコット 3.0倍
③人気 カラクレナイ 5.7倍
④人気 ディバインコード 8.2倍
⑤人気 ダイアナヘイロー 13.1倍
⑥人気 ヒルノデイバロー 17.0倍
⑦人気 モーニン 17.2倍
⑧人気 シュウジ 17.3倍
⑨人気 ムーンクレスト 38.8倍
⑩人気 アポロノシンザン 75.8倍
《出走予定馬分析》
カラクレナイ(池添謙一騎手 54kg)
阪急杯と同じ阪神芝1400mのGⅡ・フィリーズレビューを制している4歳牝馬のカラクレナイが約1年ぶりとなる重賞タイトル奪取にチャレンジします。5走前のNHKマイルカップ17着から調子を落としていたのですが、年明け初戦となった京都金杯で勝ち馬から0.3秒差の6着に健闘すると、前走・シルクロードステークスでも不利な外枠から4着に食い込む、という見せ場たっぷりのレースを見せているように、徐々に調子が戻ってきている状況ですから、レッドファルクスをはじめとする歴戦の古馬が集結している中であっても、フィリーズレビューを勝った時と同じコースで走れるのであれば、華麗な復活劇を見せる事になっても不思議ないのでは?と予想しています。
ヒルノデイバロー(四位洋文騎手 56kg)
前年の阪急杯で1着・トーキングドラムとアタマ差の2着に健闘しているほか、12番人気という低評価に甘んじていた2走前のスワンステークスでも2着を確保するなど、芝1400mの重賞レースで好走した実績を持つ明け7歳のベテランホースです。4番人気に支持された前走・京阪杯は10着という残念な結果に終わり、人気を裏切る形になってしまいましたけど、芝1200mの速い流れに対応できなかった中で勝ち馬と0.5秒差の競馬をしていますので、前走は着順ほど悪い内容ではなかったと思います。成績にムラのあるタイプですし、2年以上勝っていない馬でもありますから、単勝や3連単フォーメーション1着固定の馬券には向かない馬ですが、最も得意にしている芝1400mのレースであれば、骨っぽい相手がそろった中でも好勝負に持ち込めるのではないでしょうか。
モズアスコット(ルメール騎手 56kg)
ソウルスターリングやミスエルテといった重賞ホースを輩出しているフランケル産駒で、重賞レース初出走となった前走・阪神カップでは引退レースのイスラボニータを押しのけて1番人気に支持されるなど、多くの競馬ファンから素質の高さを評価されている充実一途の4歳牡馬です。阪神カップは早々にジョッキーの手応えが悪くなってしまったのですが、直線でまずまずの伸びを見せ、勝ち馬・イスラボニータから0.4秒差の4着に健闘し、重賞レースでも互角に戦える事を証明してみせました。直線が急坂のコースになると末脚が鈍る傾向にあるものの、2度目の重賞レース出走でクラス慣れが見込める状況であれば、強敵相手に一矢報いる事があっても驚けないのではないでしょうか。
モーニン(浜中俊騎手 56kg)
2016年のGⅠ・フェブラリーステークスを制するなど、ダートのトップホースとして長く活躍してきましたが、名手・横山典弘騎手の進言で芝レースに初参戦する事になった前走・阪神カップで6着というまずまずの結果を残し、芝レースでも通用しそうな雰囲気を醸し出しています。ダート戦に向く馬体重500kg超の大型馬ですけど、芝レース向きの馬も多く輩出しているヘニーヒューズ産駒ですから、2度目の芝レース出走となる今回は前走以上のパフォーマンスを見せる可能性も十分あるのではないでしょうか。ただし、ダート戦を走っていた頃は「左回り>右回り」という傾向が色濃くなっていましたので、左回りの芝レースを使ってきた時が最大の狙い目になりそうです。
レッドファルクス(川田将雅騎手 58kg)
2017年のJRA賞・最優秀短距離馬のタイトルを獲得している明け7歳・レッドファルクスが阪急杯から始動する事になりました。スプリンターズステークスを2連覇している短距離ホースですから、芝1200mで本領を発揮するのでは?と考えている方も多いでしょうが、芝1400mでも連対率50%という上々の結果を残していますので、距離面の問題は全くないと思います。阪神芝コースを走るのが初めて、という点が若干気になるものの、中10週以上の休み明けで4勝を挙げているように、鉄砲駆けが利くタイプですし、開幕週の高速馬場で戦える点もプラスに働く事になりそうですから、春の大目標である高松宮記念制覇へ向け、絶好のスタートを切ってくれるのではないでしょうか。
《レース展望から見る阪急杯の1着予想》
レッドファルクス
芝1400m以下のJRA重賞レースで3着以下ゼロ、という短距離の重賞レースで抜群の安定感を誇るこの馬の台頭に期待しています。前走・マイルチャンピオンシップはこれといった見せ場を作る事ができず、8着という残念な結果に終わっていますけど、芝1600mの距離が長かった事が最大の敗因ですから、前走よりも距離が短くなる今回は巻き返し必至です。主戦のM・デムーロ騎手ではなく、川田将雅騎手が騎乗する、という点は気掛かりですが、今回のメンバーであれば能力上位なのは明らかですので、多少の騎乗ミスがあったとしても、大崩れする事はないのでは?と予想しています。