2018年2月4日(日)
東京競馬11レース(15時45分発走)
第68回 東京新聞杯(GⅢ)
東京芝1600m・別定戦
《東京新聞杯のレース展望》
冬の東京開催2週目のメインレースは、安田記念やヴィクトリアマイルといった東京芝1600mで行われる春のGⅠレースの行方を占う意味でも重要な一戦となる東京新聞杯!昨年は10頭立ての少頭数になっただけでなく、確たる逃げ馬が1頭も出走しなかったため、前半600m通過が37.2秒という重賞レースとは思えないくらいの超スローペースとなり、押し出される形でハナを奪った3番人気・ブラックスピネルが逃げ切り勝ちを決め、重賞初制覇を果たしたものの、京都金杯(GⅢ)1着からの連勝が期待され、単勝オッズ1.8倍の抜けた1番人気に支持された武豊騎手騎乗・エアスピネルは極端な瞬発力勝負に対応する事ができず、3着に凡退し、馬連3,150円・3連単15,460円という10頭立てのレースにしてはまずまずの高配当決着となりました。今年の顔ぶれを見てみると、昨年のヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリードや朝日杯FSを勝った実績を持つサトノアレス・ダノンプラチナといったGⅠホースが参戦するだけでなく、前走で3着以内を確保し、好調さをアピールしているクルーガーやグレーターロンドン、ディバインコードのほか、東京コースを得意にしているダイワキャグニー・デンコウアンジュ・リスグラシューなど、バラエティーに富んだ好メンバーがそろっていますので、例年以上に盛り上がるレースになりそうです。
《予想オッズ》
①人気 グレーターロンドン 2.8倍
②人気 ダイワキャグニー 4.0倍
③人気 リスグラシュー 6.1倍
④人気 ダノンプラチナ 6.2倍
⑤人気 クルーガー 6.7倍
⑥人気 アドマイヤリード 9.6倍
⑦人気 サトノアレス 21.4倍
⑧人気 デンコウアンジュ 27.7倍
⑨人気 カデナ 41.5倍
⑩人気 ハクサンルドルフ 51.6倍
《出走予定馬分析》
クルーガー(浜中俊騎手 56kg)
3歳時の京成杯(GⅢ)で勝ったベルーフ相手にタイム差なしの3着に健闘するなど、若駒の頃からハイレベルなレースで結果を出してきた6歳牡馬・クルーガー。長期休養に入っていた時期がある馬で、今回がキャリア16戦目ですから、早熟傾向の濃いキングカメハメハ産駒という理由で軽視してしまうのは危険です。前走・京都金杯(GⅢ)は前崩れの展開が向いたとはいえ、見せ場たっぷりのレースを見せ2着の座を確保していますし、1週前追い切りで栗東坂路4ハロン51.3秒・ラスト1ハロン12.1秒という文句のつけようのない好時計を叩き出しているように、好調だった前走の状態をキープしているのは間違いない状況ですので、今回も侮れない存在になると思います。
グレーターロンドン(川田将雅騎手 56kg)
父ディープインパクト・母ロンドンブリッジという血統で、姉には2004年のオークスを制したダイワエルシエーロがいる、という超ド級の良血馬であるグレーターロンドン。脚元や体質に弱い部分があった事もあり、順調にレースを使い込めない、という弱点を抱えているものの、昨年の安田記念(GⅠ)で僅差の4着に入るなど、マイル路線ではGⅠ級の素質を示しています。今回は川田将雅騎手との初コンビになりますけど、栗東所属の川田将雅騎手がわざわざ美浦トレセンまで駆けつけ、1週前追い切り(美浦Wコースで6ハロン81.4秒)に騎乗し、感触を確かめていましたので、テン乗りである事がマイナスに働く事はないでしょう。
サトノアレス(柴山雄一騎手 57kg)
2016年の朝日杯FS(GⅠ)を制し、JRA賞・最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得した実績馬・サトノアレス。デビュー当初から短距離志向の強い馬だった事もあり、1800m以上の中距離戦では思うような結果を残せなかったのですが、1600m以下の短距離戦ではまだ底を見せていません。朝日杯FS勝ち以降、重賞レースを勝てていない、という厳しい状況ですけど、東京芝1600mという舞台設定は間違いなく合うと思いますので、ベスト条件での巻き返しに期待したいです。また、美浦Wコースで行った1週前追い切りでは5ハロン69.3秒という時計を馬なりの手応えでマーク。藤沢和雄厩舎はハードな追い切りをせず、乗り込みの量を増やす事で馬の状態を上げていく厩舎ですから、軽めの追い切りでもしっかり仕上げてくると思います。
ダイワキャグニー(横山典弘騎手 56kg)
2015年のセレクトセールで税込価格1億1,340万円という高額で落札されているキングカメハメハ産駒・ダイワキャグニー。【4-0-0-4】という通算成績が示している通り、1着になるか着外に負けるか、という極端な戦績の馬ですけど、キャリア4勝はすべて東京芝コースで挙げているものですから、得意の東京芝コースに替わる今回は勝ち負け必至だと考えています。前走は苦手な中山芝コースの中山金杯(GⅢ)に出走。人気を大きく裏切る着順に終わる可能性があった中で、勝ち馬から0.3秒差の5着に踏ん張っていますから、コース適性が高い東京芝コースならば、前走以上のパフォーマンスを見せてくれるのではないでしょうか。また、美浦Wコースでの1週前追い切りで4ハロン53.1秒という上々の時計をマークしていますので、前走並みの状態で出走する事ができそうです。
リスグラシュー(武豊騎手 55kg)
昨年の桜花賞と秋華賞で2着に入るなど、現4歳牝馬世代の中でトップクラスの実績を残してきたリスグラシューがマイル巧者の強豪牡馬がそろう東京新聞杯にエントリーしました。今回と同じ東京芝コースで行われた4走前・オークス(GⅠ)では勝ち馬から0.8秒離された5着に敗れていますけど、2400mの長距離に対応できなかった事が最大の敗因ですから、守備範囲内の1600mならば、惨敗したオークスの二の舞になる可能性は低い、と考えています。今回は休養明け初戦になりますので、本調子にあるのかどうか、というところが気掛かりですけど、栗東坂路での1週前追い切りで4ハロン52.2秒という好時計を叩き出していますから、順調な調整過程を踏んでいるのは間違いないと思います。
《レース展望から見る東京新聞杯の1着予想》
ダイワキャグニー
戦績にムラがあり、安定感に欠くタイプではありますが、抜群の相性を誇る東京芝コースへのコース替わりが大歓迎なこの馬の台頭に期待しています。気性が前向きすぎる、という弱点を抱えてはいますけど、1600mまでの距離であれば我慢が利きますから、前走から400m距離が短縮される点も大きなプラス材料になるはず!今回はハイレベルなレースで実績を積み重ねているマイル巧者が勢ぞろいしていますので、一気の相手強化に対応できない可能性があるものの、デビュー前から素質の高さを評価されていた逸材ですから、ここで重賞タイトルをつかみ取って、春のGⅠ路線へとつながっていく好レースを見せてもらいたいです。