昨年の牝馬クラシックは時計の掛かる馬場を得意にしているハービンジャー産駒(モズカッチャン・ディアドラなど)や欧州で14戦無敗(うちGⅠを10勝)という驚異的な記録を叩き出した怪物・フランケルの産駒(ソウルスターリング・ミスエルテなど)の活躍が目立っていましたよね。現代の日本競馬は馬場の高速化の影響により、ディープインパクト産駒をはじめとするサンデーサイレンス系種牡馬がGⅠタイトルを奪取し続けていましたけど、サンデーサイレンス系以外の種牡馬が徐々に勢力を拡大させている状況の中、今年の3歳牝馬はどんな血統の馬が活躍しているのでしょうか?ここでは、桜花賞やオークスを大目標としている3歳牝馬の獲得賞金ランキングトップ5の顔ぶれを見ていくのはもちろん、有力馬たちの今後の動向も詳しくご紹介していきますので、どうぞご期待ください!
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【1位・ラッキーライラック(1億282万円)】
父 :オルフェーヴル
母 :ライラックスアンドレース
母父:Flower Alley
厩舎:松永幹夫(栗東)
馬主:サンデーレーシング
牧場:ノーザンファーム
無傷の3連勝で阪神ジュベナイルフィリーズを制し、2017年度JRA賞・最優秀2歳牝馬のタイトルを満票で獲得したラッキーライラックが堂々の1位にランクイン!ランキング2位のモルトアレグロに5000万円以上の大差をつけての1位奪取ですから、立派なものですよね。新種牡馬としてデビュー前から大きな注目を集めていたオルフェーヴル産駒ですけど、新馬戦の勝ち上がり率が悪く、苦戦を強いられているものの、新馬戦から古馬顔負けの走りを見せていたラッキーライラックはオルフェーヴル産駒の代表格として目覚ましい活躍を見せてくれる事でしょう。好位追走から速い脚を使って馬群から抜け出す、という大人びたレースを展開するタイプですから、今後も大崩れする事はないでしょうし、今年の始動戦となる桜花賞トライアル・チューリップ賞(3月3日)からエンジン全開で他馬を圧倒するパフォーマンスを見せてくれるのでは?と予想しています。
【2位・モルトアレグロ(4941万円)】
父 :スパイツタウン
母 :モクシュラ
母父:フリーハウス
厩舎:武井亮(美浦)
馬主:吉田千津
牧場:Town And Country Horse Farms LLC & Frank & Kim Taylor
重賞レースでの最高着順は阪神ジュベナイルフィリーズの5着となっていますけど、オープン特別の紅梅ステークスで好位からの差し切り勝ちを決め、賞金加算に成功した3勝馬・モルトアレグロが2位にランクイン!デビュー当初から追い切りで抜群の動きを見せていた逸材でしたが、ダートの新馬戦を勝ち上がっているように、パワータイプの血統の持ち主ですから、「時計の速い芝だとスピード負けするのでは?」と考えていた方も多かったようですけど、既に芝レースを2勝していますので、将来的にはダート戦に転向する可能性が高い状況であっても、同世代の牝馬相手のレースであれば、芝レースでも互角以上の走りを見せてくれるはずです。次走は桜花賞トライアルのフィリーズレビュー(3月11日)を予定。フィリーズレビューで重賞タイトルを奪取して、ラッキーライラックをはじめとする強力メンバーが待ち構える桜花賞へと向かいたいところです。
【3位・アーモンドアイ(4625万円)】
父 :ロードカナロア
母 :フサイチパンドラ
母父:サンデーサイレンス
厩舎:国枝栄(美浦)
馬主:シルクレーシング
牧場:ノーザンファーム
新馬戦から3戦連続で上がり3ハロン最速の末脚を繰り出しているだけでなく、牡馬相手だった前走・シンザン記念で鮮やかすぎる差し切り勝ちを決め、牝馬クラシック有力候補に名乗りを挙げたアーモンドアイが3位にランクイン!好調の新種牡馬・ロードカナロア産駒で、2006年のエリザベス女王杯を制したフサイチパンドラを母に持つ、という魅力たっぷりな血統の持ち主ですし、アパパネで牝馬三冠を達成している国枝栄厩舎の管理馬ですから、今後にも期待が持てますよね。牝馬でシンザン記念を勝ったのは2012年に牝馬三冠を達成したジェンティルドンナ以来6年ぶり。次走予定の桜花賞(4月8日)でしっかりと勝ち切り、ジェンティルドンナに続く牝馬三冠達成馬の誕生なるか、というところに注目が集まります。
【4位・リリーノーブル(4362万円)】
父 :ルーラーシップ
母 :ピュアチャプレット
母父:クロフネ
厩舎:藤岡健一(栗東)
馬主:サンデーレーシング
牧場:ノーザンファーム
中1週という若い牝馬にとってはタイトなスケジュールになったにも関わらず、昨年の阪神ジュベナイルフィリーズでラッキーライラックに次ぐ2着の座を死守し、賞金加算に成功したリリーノーブルが4位にランクイン!タフな馬場で強さを発揮するルーラーシップ産駒らしく、500kg近い巨漢馬ですけど、パワータイプ寄りの走りをするのはもちろん、芝レースの瞬発力勝負にも対応できる器用さも持ち合わせていますので、今後の牝馬クラシック路線だけでなく、古馬になってからもハイレベルなレースで互角以上の走りを見せてくれるのでは?と予想しています。次走は桜花賞トライアルのチューリップ賞(3月3日)を予定。今年からGⅡに格上げされたチューリップ賞で再びラッキーライラックと激突します。
【5位・プリモシーン(4337万円)】
父 :ディープインパクト
母 :モシーン
母父:Fastnet Rock
厩舎:木村哲也(美浦)
馬主:シルクレーシング
牧場:ノーザンファーム
昨年の朝日杯フューチュリティステークスで2着に入ったステルヴィオのほか、ミスエルテの妹・ミカリーニョやシャケトラの妹・サラーブなど、将来性豊かな3歳馬を数多く管理している木村哲也厩舎の牝馬の大将格にあたるディープインパクト産駒・プリモシーンが5位にランクイン!気性面での課題がある馬で、本格化するのは古馬になってからかな?という印象がありますけど、前走・フェアリーステークスでは中山芝1600mで不利とされている外枠を引き当てていながら、馬群の外めから豪快な差し切り勝ちを決め、重賞ホースの仲間入りを果たし、牝馬クラシック候補の1頭として注目される存在になっています。次走予定はまだ発表されていませんが、桜花賞(4月8日)に直行する可能性がある一方、関西圏への長距離輸送を嫌い、長距離輸送の必要がない東京競馬場のオークス(5月20日)に目標を変える可能性も十分あります。