2018年2月12日(月・振替休日)
東京競馬11レース(15時45分発走)
第53回 デイリー杯 クイーンカップ(GⅢ)
東京芝1600m・3歳牝馬限定
《クイーンカップのレース展望》
半世紀以上の歴史を誇っているだけでなく、ダイワエルシエーロやコイウタ、ヴィルシーナ、メジャーエンブレムなど、後にGⅠレースを制する名牝が勝ち馬として名を連ねている出世レースでもある3歳牝馬限定のGⅢ・クイーンカップが3日間開催のトリを飾ります。昨年は後の桜花賞馬・レーヌミノルと後のNHKマイルカップ勝ち馬・アエロリットが参戦していましたが、単勝オッズ2.9倍の1番人気に支持されていたルメール騎手騎乗のアドマイヤミヤビが人気に応える走りを見せ、重賞タイトルを奪取しました。今年の顔ぶれを見てみると、昨年末の阪神ジュベナイルFで僅差の3着に入っている関東馬・マウレアのほか、フェアリーS凡退からの巻き返しを誓うレッドベルローズとテトラドラクマ、牡馬相手のシンザン記念で存在感を示したツヅミモン、さらにはルメール騎手&藤沢和雄厩舎のゴールデンコンビ結成で期待が高まるアルーシャやブエナビスタの仔・ソシアルクラブなど、桜花賞やオークスでも上位争いができそうな能力馬が集結!今年はアドマイヤミヤビが勝った昨年並みのレベルにありますので、クイーンカップで上位争いをした馬が出世する可能性も十分あると思います。
《予想オッズ》
①人気 マウレア 2.3倍
②人気 ツヅミモン 4.3倍
③人気 レッドベルローズ 5.7倍
④人気 オハナ 6.5倍
⑤人気 フィフニティ 9.1倍
⑥人気 ソシアルクラブ 14.1倍
⑦人気 アルーシャ 19.1倍
⑧人気 テトラドラクマ 20.4倍
⑨人気 ミュージアムヒル 77.3倍
⑩人気 ハトホル 86.2倍
《出走予定馬分析》
アルーシャ(ルメール騎手)
父ディープインパクトに母父タピット、という日米のレジェンドホースの血筋を引き継いでいる芦毛の素質馬で、母ザズーは短距離の米国ダートGⅠを2勝しています。新馬戦は後にオープン特別で2着を確保したパルマリア相手に敗れたものの、キャリア2戦目で変わり身を見せ、未勝利を脱出しました。中山芝1600mの前走は不利な大外枠となり、道中で前に壁を作る事ができず、折り合いを欠く場面があったのですが、直線入り口付近で先頭に立ち、後続の追い上げを楽に振り切る、という見た目以上に強い勝ちっぷりを見せました。前走で折り合い難という弱点を抱えている事を露呈していますけど、真ん中から内の枠を引いて、道中の折り合いがバッチリつけば、前走以上の走りを見せる可能性がありますので、未勝利勝ち直後の身であっても注意が必要です。
ツヅミモン(M・デムーロ騎手)
秋山真一郎騎手とのコンビで参戦したGⅢ・シンザン記念で桜花賞の有力候補・アーモンドアイに次ぐ2着を確保し、賞金加算に成功したストリングリターン産駒の関西馬。母カタマチボタンは2007年のクイーンカップで1番人気2着という悔しい結果に終わっていますので、母の無念を晴らす事ができるのかどうか、というところに注目が集まっています。1週前追い切りで栗東坂路4ハロン51.6秒という古馬顔負けの好時計を叩き出しているように、前走以上の仕上がりにありますけど、前走は上がりの掛かる道悪馬場が味方しての好走でしたから、上がり3ハロンが速くなりやすい東京芝1600mの条件が合わない可能性も否定できません。
テトラドラクマ(田辺裕信騎手)
キャリア4戦で1勝という実績はそこまで強調できるものではありませんけど、デビュー2戦目の未勝利戦では後の重賞ホース・プリモシーン相手にクビ差の接戦を演じたほか、クイーンカップと同じ東京芝1600mの条件で行われたデビュー3戦目の未勝利戦で1分33秒9という上々の決着時計をマークするなど、重賞級の力を持っている事を過去のレースで示している逸材ですから、初勝利を挙げた東京芝1600mの舞台で初重賞制覇を決める事になっても全く驚けません。前走・フェアリーSは不利な大外枠を引き、実戦でも終始チグハグなレースを見せたものの、勝ち馬から0.5秒差の6着、と大差負けしているわけではありませんので、中山芝コースよりもレースがしやすい東京芝コースに替われば、前走凡退からの一変を期待できるのではないでしょうか。
マウレア(戸崎圭太騎手)
2012年の桜花賞を制したアユサンの全妹で、前走・阪神ジュベナイルFでは勝ったラッキーライラックから0.2秒差の3着に好走しているディープインパクト産駒。前走は関西圏への長距離輸送の影響で馬体重を減らす形になりましたけど、見せ場たっぷりの内容でしたし、2戦2勝の東京芝1600mという条件であれば、初の重賞制覇を決める事になっても驚けないのでは?と予想しています。年明けからしっかりと乗り込んでいますので、前走と同じくらいの状態をキープしているのは間違いありませんので、人気に応える走りを見せてくれるはずです。ただし、瞬発力勝負が得意なディープインパクト産駒の割には直線でのキレ味がイマイチですから、漁夫の利を狙ってくる他馬に足元をすくわれる可能性も否定できないと思います。
レッドベルローズ(福永祐一騎手)
父ディープインパクトに母父アンブライドルズソングというダノンプラチナと全く同じ血統背景を持つ逸材で、東京芝1600mの新馬戦で上がり3ハロン33.5秒の末脚を披露して勝ち上がり、前走・フェアリーSでも2着・スカーレットカラーをクビ差まで追い詰める形で3着を確保しています。器用さが求められるコースよりもスローペースからの瞬発力勝負になりやすいコースの方が合っているタイプですから、小回りの中山芝コースから直線の長い東京芝コースに替わる点は歓迎材料になると思います。でも、前走はスタートで出遅れてしまっているように、ゲート難という弱点を抱えている点はマイナスに働く事になりそう。ゲート後入れとなる偶数枠を引き当てる事ができれば良いのですが、ゲート先入れの奇数枠を引いてしまうと、前走同様の出遅れを見せてしまうかもしれません。
《レース展望から見るクイーンカップの1着予想》
マウレア
前走のGⅠレースで3着を確保していて、クイーンカップが行われる東京芝1600mでも良績を挙げているこの馬の台頭に期待しています。桜花賞やオークスといった3歳牝馬クラシック出走を見据えている馬ですから、クイーンカップ当日に状態をピークに持ってくる可能性は低いと思いますけど、展開不問で力を発揮できるだけでなく、前走よりも相手関係がかなり楽になっているのであれば、この馬が順当に勝ち上がってくれるのでは?と予想しています。