2018年3月3日(土)
阪神競馬11レース(15時35分発走)
第25回 チューリップ賞(GⅡ・桜花賞トライアル)
阪神芝1600m(外回り)3歳牝馬限定
《チューリップ賞のレース展望》
今週から3歳クラシック路線のトライアルレースがスタートし、いよいよ春競馬の本格的なシーズンが開幕します。土曜阪神のメインレースは3着までの馬に桜花賞への優先出走権が与えられるチューリップ賞!過去10年の勝ち馬の顔ぶれを見てみると、GⅠレースを6勝した女傑・ブエナビスタのほか、ハープスターやシンハライト、ソウルスターリングなど、チューリップ賞後に桜花賞やオークスで活躍する名牝が名を連ねている出世レースですから、今年のチューリップ賞勝ち馬の今後にも注目したいですね。今年のチューリップ賞の最大の見どころは昨年末の2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズで激闘を繰り広げたラッキーライラック・リリーノーブルの再戦が実現するところではないでしょうか。ラッキーライラックが2歳女王のタイトルにふさわしいレースを披露するのか、リリーノーブルが昨年末のリベンジを果たすのか、それともラッキーライラックとリリーノーブルの2強を脅かす存在が出現するのか…。GⅡに格上げされ、例年以上の注目を集めているチューリップ賞にどうぞご期待ください!
《予想オッズ》
①人気 ラッキーライラック 2.3倍
②人気 リリーノーブル 3.5倍
③人気 マウレア 8.8倍
④人気 サラキア 10.1倍
⑤人気 シグナライズ 15.4倍
⑥人気 スカーレットカラー 17.0倍
⑦人気 レッドランディーニ 20.8倍
⑧人気 サヤカチャン 25.6倍
⑨人気 ダンセール 51.9倍
⑩人気 カレンシリエージョ 78.7倍
《出走予定馬分析》
サラキア
シンザン記念を制したアーモンドアイやフェアリーステークスを制したプリモシーンなど、現3歳牝馬のトップホースを次々に輩出しているシルクレーシングが送り出す素質豊かなディープインパクト産駒です。中京芝1600mの新馬戦の決着時計(1分37秒2)というかなり遅いものになっていますけど、前半600m通過のタイムが36.9秒という超スローペースでしたから、新馬戦の決着時計が遅くなってしまったのは致し方ない事だと思います。新馬戦のスタートで大きく出遅れていたように、克服すべき課題が山積している状況ですが、新馬戦を叩いた事による上積みが期待できますし、デビュー前の段階ではアーモンドアイやプリモシーンと同等の評価を受けていた逸材ですので、キャリア1戦の身でも侮れない存在になるはずです。
スカーレットカラー
2走前の白菊賞(500万下)でリリーノーブルに次ぐ2着を確保したほか、前走・フェアリーステークスでも直線で鋭い末脚を披露して2着の座を死守するなど、ハイレベルなレースでの好走が続いている高橋亮厩舎のヴィクトワールピサ産駒です。他の有力馬と比較するとかなり地味な血統の持ち主ですから、いつも人気薄に甘んじているのですが、近2走の走りを見る限り、いつ重賞を勝っても不思議ないほどの素質馬ですので、ラッキーライラックとリリーノーブルに人気が集中する状況であっても無視する事はできない存在になると思います。ただし、これまでのレースで上がり3ハロン33秒台の末脚を使った事がありませんので、極端な瞬発力勝負になると脆い面を見せるかもしれません。
マウレア
2013年の桜花賞を制したクラシックホース・アユサンの全妹という良血馬で、昨年末の阪神ジュベナイルフィリーズでも僅差の3着を確保していた事もあり、確勝級という評価を受けていた前走・クイーンカップでは直線で伸び脚を欠いてしまい、まさかの5着に敗れてしまいました。前走の内容があまりにも不甲斐なく、チューリップ賞で3着以内に入らなければ春の大目標としていた桜花賞には出走できない、という崖っぷちの状況に追い込まれていますが、休み明け初戦で仕上がり途上の状態だった前走を叩いての上積みが見込めますし、今回は鞍上に武豊騎手を迎えますから、乗り替わりで新たな面を見出すことができれば、前走凡退からの巻き返しがあっても驚けません。
ラッキーライラック
無傷の3連勝で阪神ジュベナイルフィリーズを制し、2017年JRA賞・最優秀2歳牝馬のタイトルを満票で奪取したオルフェーヴル産駒の2歳女王が桜花賞トライアル・チューリップ賞で戦列に復帰します。新種牡馬のオルフェーヴル産駒は気性の激しい馬が多い、という特徴があるのですが、ラッキーライラックに関しては道中の折り合いに苦労する事はありませんし、前走も上がり3ハロン最速タイの33.9秒という素晴らしい末脚を披露していますので、現時点では死角らしい死角が見たらない、という判断をしています。ただし、今回は年明け初戦になりますし、桜花賞はもちろん、その後のオークスを見据えた緩い仕上げになっているはずですから、実績だけを見るのではなく、中間の調整過程などをしっかりと確認して、今回の仕上がり具合の良し悪しをジャッジする必要があります。
リリーノーブル
中1週というキャリアの浅い牝馬にとっては過酷なローテーションを組んでいながら、ハイレベルな阪神ジュベナイルフィリーズでラッキーライラックに次ぐ2着を確保し、現3歳牝馬トップクラスの実力を持つ事を証明してみせたルーラーシップ産駒です。母・ピュアチャプレットはダートの短距離を主戦場としていたので、将来的にはマイル以下の短距離で活躍するのかもしれませんけど、阪神ジュベナイルフィリーズの走りを見る限り、芝1600mという条件はピッタリですし、1週前追い切りでは栗東坂路4ハロン53.1秒・ラスト1ハロン12.4秒という水準以上の時計をマークしているように、中間の調整過程も順調ですから、強敵のラッキーライラック相手に一矢報いる場面があっても驚けません。
《レース展望から見るチューリップ賞の1着予想》
ラッキーライラック
盤石のレース運びで3戦3勝という好結果を残しているだけでなく、1戦ごとに芝1600mの持ち時計を詰めているところも好感が持てるこの馬の台頭に期待しています。一気の相手強化となった前走はこの馬の実力不足を指摘する声も少なくなかったのですが、不安の声を一掃する素晴らしい走りを披露し、現3歳牝馬トップクラスの実力を持っている事を結果で証明して見せました。前走からのレース間隔が空いている分、100%のデキでチューリップ賞に出走する事はないでしょうが、1週前追い切りで栗東CWコース6ハロン81.5秒という水準以上の時計をマークしているように、悪くても80%程度のデキで出走してくるはずですから、恥ずかしい結果にはならないのでは?と予想しています。