2018年3月17日(土)
中京競馬11レース(15時25分発走)
第32回 中日スポーツ賞 ファルコンステークス(GⅢ)
中京芝1400m・3歳別定
《追い切り後展望》
芝1400mの短距離重賞ですから、どの馬も最終追い切りでスピード感あふれる動きを披露していましたが、その中で最も良い動きを見せていたのが栗東CWコース6ハロン78.7秒・ラスト1ハロン11.7秒という古馬顔負けの猛時計を叩き出したダノンスマッシュです。全体時計が速かったにも関わらず、最後まで脚を使う事ができていましたので、休養明け初戦でもこの馬の実力を発揮できるデキにはあると思います。テンクウは美浦坂路4ハロン53.7秒という時計を単走でマーク。全体時計は平凡ですけど、タフな坂路を軽快な脚取りで駆け上がっていましたので、この馬もかなり具合は良いのでは?と考えています。アンブロジオも美浦坂路4ハロン53.8秒というテンクウと同等の時計に留まっていますけど、中京競馬場への長距離輸送を控えている段階ですから、全体時計が遅くなってしまうのは致し方ない事だと思います。他では、フロンティアが栗東坂路4ハロン52.7秒・ラスト1ハロン12.1秒という好時計をマークし、リフレッシュ効果がうかがえる動きを見せていましたが、坂路で猛時計を叩き出しているアサクサゲンキ・タイセイアベニール・モズスーパーフレアといったあたりは芝1200m向きの動きを見せているので、芝1400mへの対応がカギになりそうです。
《追い切り後見解》
2枠4番 テンクウ(田辺裕信騎手 56kg)
2歳時にマイルの重賞レースで健闘(新潟2歳ステークス3着、サウジアラビアロイヤルカップ4着)し、プラス12kgという余裕残しの馬体重で出走した前走・ジュニアカップ(OP:中山芝1600m)をしっかり勝ち切った上位人気必至のヨハネスブルグ産駒。ジュニアカップのレース内容は良かったのですが、マイルの重賞レースだと詰めの甘い面を見せていましたので、芝1400mへの距離短縮で新味が出る可能性も十分あると思いますし、サウジアラビアロイヤルカップ時よりも相手関係が楽になっている点も追い風になるのでは?と考えています。
4枠7番 アサクサゲンキ(武豊騎手 57kg)
父ストーミーアトランティック・母アメリアという日本では珍しい血統背景を持っているアメリカ産馬で、昨年のローズステークスを制したラビットランの半弟にあたります。キャリア4戦目の小倉2歳ステークスで初の重賞タイトルを奪取している快速馬ではありますが、マイル以上の距離で好結果を残している半姉・ラビットランとは異なり、ダート短距離戦を主戦場としていた父ストーミーアトランティックの影響を強く受けているため、1400m以上の距離になると甘い部分を見せてしまいます。でも、2走前の京王杯2歳ステークス(芝1400m)では3着に粘っていますので、勝ち切れない可能性が高くても、3連複・3連単馬券の買い目に加える必要はあると思います。
4枠8番 フロンティア(川田将雅騎手 57kg)
ディープインパクトやメイショウサムソンといったトップホース相手に互角の走りを見せていた重賞2勝馬・ドリームパスポートの半弟にあたる中内田充正厩舎所属の良血馬。デビュー前からポテンシャルの高さを評価されていた逸材で、キャリア2戦目の新潟2歳ステークスで重賞初制覇を果たしたものの、前走・朝日杯フューチュリティステークスでは勝ち馬から1.1秒離された8着に敗れ、評価が急落しています。ただし、今回は凡退した近2走時よりも最終追い切りの動きが格段に良くなっていますので、本調子を取り戻している状況であれば、近走凡退からの巻き返しがあっても驚けません。
5枠9番 ダノンスマッシュ(戸崎圭太騎手 56kg)
今年のシンザン記念を制したアーモンドアイや今週のスプリングステークスで1番人気に支持される事がほぼ確実なステルヴィオなど、マイル付近の距離で目覚ましい活躍を見せている子供たちを次々に輩出しているロードカナロア産駒のうちの1頭。前走・朝日杯フューチュリティステークスは5着に敗れていますけど、ダノンプレミアムをはじめとするライバルが強すぎた事とスタートで後手を踏んでしまった事が前走の敗因ですので、【2-1-0-0】と得意にしている芝1400mへの距離短縮がプラスに働く今回も課題のスタートを無事にクリアする事ができれば、朝日杯フューチュリティステークス時以上のパフォーマンスを発揮するのでは?と予想しています。
6枠11番 アンブロジオ(横山典弘騎手 56kg)
GⅠレースを2勝(ジャパンカップ・朝日杯フューチュリティステークス)したほか、2010年の日本ダービーで2着に入るなど、現役時代に目覚ましい活躍を見せたローズキングダム産駒の第一世代であるアンブロジオ。新馬戦(札幌芝1500m)こそ勝ち馬から0.6秒差の2着に敗れたものの、前走・クロッカスステークス(OP:東京芝1400m)で2着に健闘し、オープンクラスで戦えるメドを立てました。ただし、今回は関西圏への長距離輸送を初めて経験する事になりますので、初の長距離輸送が実戦での結果にどんな影響を及ぼすのか、というところが最大のポイントになるのではないでしょうか。
《最終予想オッズ》
①人気 ダノンスマッシュ 3.0倍
②人気 テンクウ 3.6倍
③人気 アンブロジオ 6.1倍
④人気 フロンティア 7.4倍
⑤人気 アサクサゲンキ 9.6倍
⑥人気 ムスコローソ 12.5倍
⑦人気 タイセイプライド 15.8倍
⑧人気 ミスターメロディ 25.7倍
⑨人気 カイザーメランジェ 36.0倍
⑩人気 タイセイアベニール 38.2倍
《展開予想》
内枠からモズスーパーフレア・アシャカデッシュ・アサクサゲンキ・ミスターメロディ・タイセイプライドといった先行脚質の馬がそろっている、という状況ですから、どの馬がハナを奪う事になったとしても、前半600m通過34秒台以上の速いペースになる可能性が高いのでは?と予想しています。中京競馬場は直線にタフな急坂が待ち構えている事もあり、ペースが速くなればなるほど差しが決まりやすい、という特徴がありますので、ハイペース濃厚な今回は先行一辺倒の馬ではなく、近走で速い上がり3ハロンをマークしている差し・追い込み脚質の馬を狙う事をおすすめします。
《ファルコンステークスの最終1着予想》
ムスコローソ
実力が拮抗している難解な一戦ではありますが、関東馬ながら栗東トレセンに留学していて、栗東CWコース6ハロン80.1秒・ラスト1ハロン12.0秒という好時計を最終追い切りで叩き出し、栗東トレセン留学の効果が表れているこの馬を中心視します。芝1600mの重賞レースで2戦連続大敗中、という厳しい立場ではありますが、【2-0-1-0】と得意にしている芝1400mに戻る状況であれば、苦戦続きの重賞レースでも好走してくれるのでは?と期待しています。典型的な差し・追い込み脚質ですので、ハイペース濃厚なメンバー構成になっている点も魅力的ですし、高速馬場で分が悪い面を見せていますから、やや時計の掛かるタフな中京芝コースもピッタリだと思います。