2018年2月25日(日)
中山競馬11レース(15時45分発走)
第92回 中山記念(GⅡ)
中山芝1800m 4歳以上・別定
《中山記念のレース展望》
今年で92回目の開催となる伝統のGⅡレース・中山記念が2回中山開催1週目のメインレースになります。1800mという非根幹距離で行われる事もあり、2000mの大阪杯はもちろん、1600mのヴィクトリアマイルや安田記念を大目標に置いている有力馬がエントリーするレースとしても知られていますよね。昨年はM・デムーロ騎手騎乗のネオリアリズムが前々からの競馬で後続の追撃を完封し、2つ目の重賞タイトルを奪取しています。中山記念出走後のネオリアリズムはクイーンエリザベス2世カップ(香港芝2000m)で国際GⅠ初制覇を果たしていますので、今年の中山記念で活躍した馬から後のGⅠホースが誕生するかもしれません。今年の登録馬を見てみると、昨年のドバイターフを制したヴィブロスのほか、ハイレベルな4歳世代からはペルシアンナイト・アエロリット・ウインブライトの3頭に加え、今週の競馬で定年する事が決まっている小島太厩舎の9歳牡馬・ディサイファがエントリー!昨年のマイルチャンピオンシップでペルシアンナイトと接戦を演じ、中山記念の有力候補に挙がっていたエアスピネルが骨膜炎の影響で出走を見合わせたのは残念ですけど、少数精鋭の好メンバーが集結していますので、どうぞお楽しみに!
《予想オッズ》
①人気 ペルシアンナイト 2.1倍
②人気 ウインブライト 5.3倍
③人気 アエロリット 5.3倍
④人気 ヴィブロス 5.8倍
⑤人気 マイネルハニー 8.7倍
⑥人気 サクラアンプルール 10.2倍
⑦人気 マルターズアポジー 12.1倍
⑧人気 ショウナンバッハ 68.7倍
⑨人気 ディサイファ 83.9倍
⑩人気 マイネルサージュ 101.0倍
《出走予定馬分析》
アエロリット(横山典弘騎手 55kg)
牡馬相手のNHKマイルカップを制し、GⅠホースの仲間入りを果たした4歳牝馬・アエロリットが豪華メンバーの中山記念にエントリー。馬場が悪く、2000mという距離も長かった前走・秋華賞は7着に敗れているものの、牝馬限定の重賞・クイーンステークスで圧巻の逃げ切り勝ちを決めているように、既に古馬相手のレースでメドを立てている状況であれば、一発があっても驚けませんよね。中山芝コースでは2着が最高、という結果に終わっていますけど、軽快な先行力を持ち、器用な立ち回りを武器にしている馬ですから、トリッキーな中山芝コースでパフォーマンスを落とす事はないのでは?と予想しています。あとはヴィブロスやペルシアンナイトといったGⅠホース相手に通用するのかどうか、というところだけだと思います。
ウインブライト(松岡正海騎手 56kg)
約1年前のスプリングステークスで重賞初制覇を果たして以降、古馬相手の福島記念を制したほか、前走・中山金杯でもセダブリランテスと互角の競馬を見せ、2着の座を死守するなど、芝2000m前後の中距離重賞レースで安定した走りを続けています。昨年の皐月賞と日本ダービーでペルシアンナイト相手に完敗しているように、今回は一気に相手が強化される形になりますから、近走と同じような安定感のある走りを見せる事は難しいかもしれませんけど、中山記念が行われる中山芝1800mでは2戦2勝という好結果を残していますので、相性の良いコースであれば、ペルシアンナイトをはじめとする強力なライバルたちを打ち負かす事になっても驚けないと思います。
ヴィブロス(内田博幸騎手 56kg)
2017年JRA賞・最優秀4歳牝馬のタイトルを獲得するなど、現時点でGⅠ(秋華賞・ドバイターフ)を2勝している現役屈指の女傑・ヴィブロスが中山記念で2018年の初戦を迎えます。前走・エリザベス女王杯は1番人気5着という残念な結果に終わっていますけど、8枠16番の外枠を引いてしまったがために、馬群の中に入れる事ができず、道中の折り合いを欠いた事が前走の最大の敗因ですから、前走の凡退は度外視可能だと考えています。中山記念を年明けの始動戦に選択する、という流れは昨年と全く同じで、中山記念後にドバイターフに参戦する、というローテーションも昨年と全く同じ。ドバイターフ制覇を見据えての叩き台になっている可能性が極めて高い中でどんな走りを見せてくれるでしょうか。
ペルシアンナイト(M・デムーロ騎手 57kg)
4番人気で出走した前走・マイルチャンピオンシップでGⅠ初制覇を果たし、今年のマイル路線の主役を張っていく事になる4歳牡馬・ペルシアンナイトが強敵揃いの中山記念で戦列に復帰します。3走前の日本ダービーで7着、2走前の富士ステークスで5着に敗れていますけど、日本ダービーは芝2400mという距離が長すぎた事が敗因でしたし、富士ステークスは極端な道悪馬場で本来の実力を発揮できない状況でしたから、芝1600m前後の距離で開幕週の馬場という条件ならば、大崩れする事はないのでは?と予想しています。今回は長期休養明け初戦で先々のGⅠレースを見据えた中での出走になりますので、余裕残しの状態になっている可能性こそありますが、前走で実力馬・エアスピネルを負かしているのであれば、エアスピネル不在となった今回は軽視する事ができない、と考えています。
マルターズアポジー(柴田善臣騎手 56kg)
ハイレベルなGⅠレースでは10着以下に大敗しているものの、絶対的なスピードでハナを奪い、そのまま押し切る、というレース運びでGⅢを3勝(福島記念・小倉大賞典・関屋記念)しています。直線が平坦なコースで実力を発揮するタイプですから、直線に急坂が待ち構えている中山芝コースでは厳しい戦いを強いられる事になりそうですけど、前残り決着になりやすい開幕週の絶好馬場で戦える点は大きなプラス材料になるのではないでしょうか。GⅠ級の強敵がそろっているレースですので、ライバルたちの圧倒的な強さに屈してしまうかもしれませんが、逃げてナンボというタイプでもありますので、玉砕覚悟の逃げが決まる可能性も考慮しておく必要があると思います。
《レース展望から見る中山記念の1着予想》
ペルシアンナイト
中山芝1800mのコースを走るのは初めてになりますが、マイル前後の距離で抜群の安定感を見せているこの馬の台頭に期待しています。現4歳勢は例年以上のハイレベルな世代で、年明けの時点から重賞レースで大活躍していますけど、この馬はハイレベルな4歳勢の中でもトップクラスの実力を誇っていますから、休み明け初戦というハンデを背負う状況であっても、恥ずかしい競馬はしないのでは?と予想しています。昨年の皐月賞で2着に入っているように、トリッキーな中山芝コースへの対応も問題ありませんし、速いペースの逃げを打つマルターズアポジーがエントリーしていますので、差し・追い込み脚質向きのレース展開になる可能性が高いところも追い風になりそうです。