2018年2月11日(日・祝日)
東京競馬11レース(15時45分発走)
第52回 共同通信杯(GⅢ・トキノミノル記念)
東京芝1800m・3歳限定
《共同通信杯のレース展望》
皐月賞と日本ダービーを制し、牡馬クラシック二冠を成し遂げたものの、日本ダービー優勝の歓喜からわずか17日後に死亡する、という悲劇的な馬生を送る事になったトキノミノルの功績を称える意味合いを持つ共同通信杯が日曜東京競馬のメインレースになります。昨年は四位洋文騎手騎乗の2番人気・スワーヴリチャードが2着に0.4秒差をつける圧勝劇を見せ、その後日本ダービーの大舞台でもレイデオロに次ぐ2着を確保し、能力の高さを示しました。今年は京都2歳Sでタイムフライヤーを倒しているグレイルのほか、ホープフルS3着のステイフーリッシュ、未勝利を勝ち上がったばかりのブレステイキングとアメリカンワールド、更には名門・藤沢和雄厩舎が送り出すゴーフォザサミットなど、将来性の高い逸材がエントリー!2年前の勝ち馬は後に皐月賞を勝つディーマジェスティでしたし、近年の共同通信杯の上位馬から後のGⅠレースで好走する馬が相次いでいる状態ですから、今年の共同通信杯上位馬の今後の動向にもご注目ください!
《予想オッズ》
①人気 グレイル 1.8倍
②人気 ステイフーリッシュ 5.9倍
③人気 ゴーフォザサミット 6.3倍
④人気 サトノソルタス 8.0倍
⑤人気 カフジバンガード 9.9倍
⑥人気 ブレステイキング 11.5倍
⑦人気 オウケンムーン 20.1倍
⑧人気 アメリカンワールド 45.2倍
⑨人気 ジャックローズ 53.7倍
⑩人気 フィフニティ 57.6倍
《出走予定馬分析》
アメリカンワールド(浜中俊騎手)
昨年のホープフルSで2着に入ったジャンダルムと同じキトゥンズジョイ産駒の外国産馬で、キャリア3戦目だった前走の未勝利戦をノーステッキで勝利し、素質の高さを証明してみせました。「外国産馬=パワー型」という印象を持っている方が多いかと思いますが、アメリカンワールドは良い意味で外国産馬らしからぬ軽いフットワークを見せる馬で、跳びも大きく、タフさが要求されるダート戦よりも瞬発力になりやすい芝のレースの方が合うタイプです。初勝利を挙げるまでに3戦を要している馬ですから、一気の相手強化に対応できない可能性もありますけど、1戦ごとに馬体重を増やしているように、キャリアを積む事で着実に成長を遂げている馬でもありますので、未勝利戦勝ち直後だからといって舐めてかかると痛い目に遭うかもしれません。
オウケンムーン(北村宏司騎手)
2008年の菊花賞を制したオウケンブルースリの産駒で、キャリア2戦目の未勝利戦で新潟芝2000mの2歳コースレコードを樹立し、前走・500万下(中山芝2000m)でも中団やや前めのポジションから鋭い末脚を繰り出して未勝利戦からの連勝を決めました。東京芝コースを走るのは初めてですが、東京芝コースと同じ左回りの新潟芝コースでも勝っていますし、直線での末脚勝負に徹するタイプでもありますから、直線の長い東京芝コースはピッタリだと思います。父オウケンブルースリ・母父エリシオという長距離志向の強い血統ですから、前走の2000mから200m距離が短くなる事への対応がカギになりますけど、近2走で見せているような好位追走から押し切る、という正攻法の競馬を再現できれば、好勝負になっても全く驚けません。
グレイル(武豊騎手)
全兄に昨年のダービー卿CTを制したロジチャリスがいるという良血馬で、前走・京都2歳Sで後にGⅠのホープフルSを制したタイムフライヤーを負かした実績を持っています。前走は直線で手前を変えられなかったにも関わらず、タイムフライヤーをねじ伏せるようなレースを見せているのですから、実戦で手前を変える事を覚えれば、京都2歳S以上のパフォーマンスを見せる可能性があります。年明け初戦となりますので、出走態勢が整っているのかどうか、というところを慎重に判断する必要がありますが、1週前追い切りで栗東CWコース6ハロン80.0秒・ラスト1ハロン12.0秒という上々の時計をマークしていますから、休み明け初戦でも本来の実力を発揮できる状態にあるのでは?と考えています。
ステイフーリッシュ(中谷雄太騎手)
GⅠ昇格初年度となったホープフルSでタイムフライヤー・ジャンダルムに続く3着を確保し、牡馬クラシック候補に名乗りを挙げる事になったステイゴールド産駒。前走はキャリア1戦の身でいきなりGⅠレース出走、という厳しい条件でしたけど、中山芝コースの急坂にもめげずに脚をしっかりと伸ばしていましたので、直線の長い東京芝コースに替わる今回は前走よりもパフォーマンスを上げる可能性があります。昨年の12月にデビュー戦を迎えたばかりの馬ですから、レースを経験していく事でどんどん成長していく馬だとは思いますが、器用な立ち回りができるタイプではありませんし、エンジンの掛かりが遅いタイプでもありますので、前走よりも200m距離が短くなる点はマイナスに働くのでは?と予想しています。
ブレステイキング(ムーア騎手)
2017年の馬主リーディングで1位を獲得した名門・サンデーレーシングが所有している3歳馬の中でも育成段階から高い評価を与えられていた逸材で、単勝オッズ1.3倍の圧倒的1番人気に支持された新馬戦は6着に敗れたものの、続く未勝利戦で見事な変わり身を見せ、能力の高さを示しています。未勝利戦の前走も楽に勝ち切ったわけではありませんので、派手さはないかもしれませんが、凡退した新馬戦よりもレース内容が良化したのは疑いようのない事実ですし、堀宣行厩舎の主戦ジョッキー的な扱いになっている世界的名手・ムーア騎手が騎乗するのですから、陣営の期待も相当高いのではないでしょうか。
《レース展望から見る共同通信杯の1着予想》
グレイル
直線でスムーズに手前を変えない、など若駒らしい幼い面を随所で見せる馬ではありますが、前走で後のGⅠホースを打ち負かしたこの馬の台頭に期待しています。気性面でもっと大人っぽい面を見せてほしいところではありますけど、ジョッキーが追い出してからの伸びは目を見張るものがありますし、初めての東京芝コース参戦となるものの、ハーツクライ産駒は左回りコースを得意にしていますから、初の東京芝コースでパフォーマンスを跳ね上がる可能性も十分あるのでは?と予想しています。新馬戦で道悪馬場を克服していますので、レース当日の馬場が悪くなっても問題ありませんし、死角らしい死角が見当たらない存在だと思います。