牡馬クラシック三冠の開幕戦・皐月賞まであと2ヶ月となり、3歳牡馬の重賞戦線も熱を帯びてきています。皐月賞を当面の目標にしている陣営の動向に注目している競馬ファンが多いかと思いますが、距離適性を考えて芝1600mのNHKマイルカップの路線へと舵を切る陣営もいれば、昨年のダービー馬・レイデオロのように皐月賞をステップレースの一環として捉え、大一番・日本ダービーで一世一代の勝負に打って出る陣営もいる、というように3歳牡馬の有力どころを抱えている陣営は様々な思惑を胸に秘めながら、目標に置いているレースへ向けて懸命の調整を続けています。ここでは、例年以上の混戦模様となっている3歳牡馬のGⅠ路線を獲得賞金ランキングトップ5の顔ぶれはもちろん、上位5頭の今後の動向についても詳しくご紹介しますので、どうぞお楽しみに!
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【1位・ダノンプレミアム(1億1179万円)】
父 :ディープインパクト
母 :インディアナギャル
母父:Intikhab
厩舎:中内田充正(栗東)
馬主:ダノックス
牧場:ケイアイファーム
無傷の3連勝で昨年の朝日杯フューチュリティステークスを制し、2017年度JRA賞・最優秀2歳牡馬のタイトルを奪取したダノンプレミアムが堂々の1位にランクイン!デビュー当初から完成度が高かったので、重賞戦線でも互角以上の走りを見せる事は予想できましたけど、骨っぽいメンバーが揃っていた朝日杯フューチュリティステークスで2着・ステルヴィオに3馬身半差という大差をつけているのですから、皐月賞・日本ダービーの有力候補に名前が挙がるのも納得できますよね。先日のきさらぎ賞で同じ馬主のダノンマジェスティが大惨敗を喫しましたが、こちらの「ダノン」は順調な調整過程を歩んでいるそうで、年明け初戦の弥生賞(3月4日)で初距離の2000mを無事にこなす事ができれば、皐月賞・日本ダービーの二冠達成が現実味を帯びてくると思います。これまでのレースで死角らしい死角を全く見せてこなかったダノンプレミアムがこのまま牡馬クラシック路線を突っ走る事ができるのかどうか、というところに注目です。
【2位・タイムフライヤー(1億825万円)】
父 :ハーツクライ
母 :タイムトラベリング
母父:ブライアンズタイム
厩舎:松田国英(栗東)
馬主:サンデーレーシング
牧場:社台コーポレーション白老ファーム
GⅠ昇格初年度となった昨年末のホープフルステークスでジャンダルム以下を寄せ付けない圧巻のレースっぷりを見せたタイムフライヤーも2歳の時点で獲得賞金1億円を突破し、ランキング2位の座を確保しています。新馬戦ではロックディスタウンに、京都2歳Sではグレイルに敗れているものの、キャリア5戦全てで2着以内、という抜群の安定感を誇っているところがタイムフライヤーの強みとなっていますので、ダノンプレミアムをはじめとする朝日杯フューチュリティステークス組や他路線組の強豪と対戦する事になっても安定した走りを見せてくれるのでは?と期待しています。2018年の始動戦は皐月賞トライアルのオープン特別・若葉ステークス(3月17日)を予定。キャリア2戦目でコンビを組んだルメール騎手に手が戻りますので、復帰初戦の若葉Sから高い人気を集める事になりそうです。
【3位・タワーオブロンドン(8626万円)】
父 :レイヴンズパス
母 :スノーパイン
母父:Dalakhani
厩舎:藤沢和雄(美浦)
馬主:H.H.シェイク・モハメド
牧場:ダーレー・ジャパン・ファーム
カシアスやアサクサゲンキといった重賞ホースが出走していた前走・京王杯2歳ステークスでメンバー中最速となる上がり3ハロン・33.2秒の末脚を繰り出し、重賞初制覇を果たしたタワーオブロンドンが3位にランクイン!バリバリの外国血統の持ち主なのですが、日本の競馬特有の高速決着にもしっかりと対応していますので、今後も重賞レースで上位争いしてくれるのでは?と期待しています。ただし、短距離志向が強く、芝1400m以下の距離で本領発揮するタイプですから、芝1600m以上のレースに出走した時は少し評価を割り引いた方が良いかもしれません。今年からNHKマイルカップのトライアルレースとなったアーリントンカップ(4月14日)を年明け初戦に予定しています。
【4位・ジャンダルム(7366万円)】
父 :キトゥンズジョイ
母 :ビリーヴ
母父:サンデーサイレンス
厩舎:池江泰寿(栗東)
馬主:前田幸治
牧場:North Hills Co. Limited
デイリー杯2歳ステークスで重賞初制覇を果たしたほか、前走・ホープフルステークスでもタイムフライヤーに次ぐ2着の座を死守し、賞金加算に成功したジャンダルムが4位にランクイン!母・ビリーヴは芝1200mのスプリンターズステークス(2002年)を勝っている短距離馬でしたから、そのビリーヴの子供にあたるジャンダルムも将来的には短距離路線にシフトしていく事になると思いますが、芝2000mのホープフルステークスで距離にメドを立てている状況ですので、同世代相手の重賞レースであれば、中距離でも好勝負してくれると思います。ホープフルステークス2着後は放牧に出ていたジャンダルムですけど、皐月賞トライアルの弥生賞(3月4日)で戦列復帰を果たす予定になっています。獲得賞金ランキング1位のダノンプレミアムとの直接対決が弥生賞で実現しますので、どうぞご注目ください。
【5位・ステルヴィオ(6475万円)】
父 :ロードカナロア
母 :ラルケット
母父:ファルブラヴ
厩舎:木村哲也(美浦)
馬主:サンデーレーシング
牧場:ノーザンファーム
サウジアラビアロイヤルカップと朝日杯フューチュリティステークスで連続2着を確保するなど、新種牡馬・ロードカナロア産駒の代表格として目覚ましい活躍を見せているステルヴィオが獲得賞金ランキング5位にランクイン!キャリア4戦2勝という戦績ですけど、負けた2戦はいずれもダノンプレミアムが勝ち馬になっていたレースでしたから、ダノンプレミアム相手にまずまずの結果を残している状況であれば、後々のGⅠレースで上位争いする事になっても不思議ではありませんよね。脚質が追い込み一辺倒ですので、スローペースになる事が多い3歳馬限定戦だと取りこぼすケースも十分考えられますが、世代トップクラスの実力を持っている事は明らかですから、展開不向きの状況でも馬券の買い目には入れておきたい存在です。次走は皐月賞トライアル・スプリングステークス(3月18日)を予定しています。