2018年3月4日(日)
中山競馬11レース(15時45分発走)
第55回 報知杯弥生賞(GⅡ・弥生賞トライアル)
中山芝2000m・3歳限定
《弥生賞のレース展望》
今週日曜の中山競馬メインレースは3歳牡馬クラシック第一弾・皐月賞トライアルの弥生賞!1着から3着までに入った3頭に皐月賞への優先出走権が与えられる、という重要な一戦です。無敗で牡馬クラシック三冠を達成したシンボリルドルフやディープインパクトのほか、後に日本ダービーを勝つロジユニヴァースとマカヒキ、さらには日本馬初のドバイワールドカップ制覇という大偉業を達成したヴィクトワールピサ、といったレジェンドホースが勝ち馬として名を連ねている弥生賞ですけど、最近は別のステップレースに有力馬が分散するようになってしまい、盛り上がりに欠けるレースが続いていました。しかし、今年はダノンプレミアム・ワグネリアン・オブセッションという底を見せていない無敗馬がエントリー!昨年末のホープフルステークスで2着に入ったジャンダルムの存在が霞んでしまうくらいの好メンバーが集結していますので、例年以上の盛り上がりを見せる一戦になるのではないでしょうか。
《予想オッズ》
①人気 ダノンプレミアム 2.6倍
②人気 オブセッション 3.0倍
③人気 ワグネリアン 4.1倍
④人気 ジャンダルム 10.1倍
⑤人気 サンリヴァル 25.8倍
⑥人気 リビーリング 30.6倍
⑦人気 トラストケンシン 174.5倍
⑧人気 ニシノトランザム 181.6倍
⑨人気 アサクサスポット 254.0倍
⑩人気 ヘヴィータンク 300.9倍
《出走予定馬分析》
オブセッション(ルメール騎手)
美浦の名門・藤沢和雄厩舎に昨年のリーディングジョッキー・ルメール騎手、という信頼度の高い組み合わせは昨年の日本ダービーを勝ったレイデオロと全く同じで、今年は現3歳世代の好調のシルクレーシングが送り出す期待のディープインパクト産駒・オブセッションでクラシック制覇にチャレンジします。前走・シクラメン賞(500万下)は相手が弱かったとはいえ、余裕の走りで2歳レコードを更新する、という圧巻のレース運びを見せていますから、ダノンプレミアムやワグネリアンといった重賞ホース相手でも互角以上の走りをしてくれるのでは?と期待しています。ただし、前走の道中で舌を思いっ切り出していたように、気性的に難しい面があるタイプですので、実戦で気難しい面を出してしまうと、予想外の凡退を喫するかもしれません。
サンリヴァル(田辺裕信騎手)
弥生賞と同じ中山芝2000mの芙蓉ステークス(OP)を制し、微妙にレース間隔が空いていた昨年末のGⅠ・ホープフルステークスでもハイペースで展開が向かなかった中、4着に粘り切る、という中身の濃い走りを続けているルーラーシップ産駒です。今回はホープフルステークスで先着を許したジャンダルムがいるだけでなく、ダノンプレミアムをはじめとする世代屈指の素質馬がそろっているように、相手がかなり強くなっている中での一戦ですけど、ハイペースになりそうもないメンバー構成で楽にハナを奪い、マイペースの単騎逃げの形に持ち込む事ができれば、一発があっても驚けないと思います。
ジャンダルム(武豊騎手)
母は2002年のスプリンターズステークスを制した快速牝馬・ビリーヴ。産駒は短距離色の濃い馬が多くなっているのですが、キトゥンズジョイを父に迎えたジャンダルムは他の兄姉よりも距離の融通が利くタイプで、2000mの距離が不安視された前走・ホープフルステークスでも勝ち馬・タイムフライヤーに最後の最後まで食い下がり、2着の座を死守していますから、2000mへの慣れが見込める今回は前走以上の走りを見せてくれるのでは?と予想しています。ポイントはライバルとの相手関係でしょう。ホープフルステークスで3着だったステイフーリッシュが共同通信杯でボロ負けしているように、ホープフルステークスが低レベルだった可能性も捨てきれませんので、ライバルとの地力の差で馬券圏外に敗れる事も頭の片隅に入れておく必要があると思います。
ダノンプレミアム(川田将雅騎手)
3戦3勝で朝日杯フューチュリティステークスを制し、2017年JRA賞・最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得したダノンプレミアムが皐月賞トライアルの弥生賞で年明け始動戦を迎えます。過去3戦はすべて完璧な走りを見せていますので、現時点では死角らしい死角が見当たらない、という状況になっています。ただし、今回は初めて中山芝コースを走るだけでなく、2000mの距離も初めて、という初物尽くしの中でのレースを強いられます。パドックで過剰にイレ込むタイプではありませんので、2000mへの距離延長も大丈夫だと思いますが、競馬に絶対はありませんし、オブセッションやワグネリアンなど、朝日杯フューチュリティステークスに出走していない強力なライバルとの初顔合わせにもなりますから、キャリア4戦目で初黒星を喫する可能性も考えておく必要がありそうです。
ワグネリアン(福永祐一騎手)
ダノンプレミアムと全く同じ3戦3勝というキャリアで弥生賞にエントリーしてきたディープインパクト産駒。新馬戦の頃から素質の高さを評価されていた逸材でしたけど、過去3戦で内容の濃い走りを見せていますし、2000mを走った事がないダノンプレミアムに対し、ワグネリアンは新馬戦で2000mのレースを経験していますので、2000mを既に走っているというアドバンテージも持っています。ただし、過去3戦はいずれも差し馬有利の直線が長いコースを走っていますから、小回りで直線が短い中山芝コースだと、末脚を上手く活かす事ができず、先行していた馬を差し切れない、というもどかしい結果に終わる恐れもありますので、初めての中山芝コースへの対応が大きなポイントになると考えています。
《レース展望から見る弥生賞の1着予想》
ダノンプレミアム
これまでのレースで底を見せていない3頭の無敗馬が中心となりそうですが、その中で最も勝つ確率が高いのはマイル戦で他馬を圧倒するレースを見せてきたこの馬だと考えています。平均ペースで流れた前走は道中3・4番手という前めのポジションからレースを進めていながら、上がり3ハロン最速(33.6秒)の末脚を披露しているように、安定した先行力を持つだけでなく、後方待機馬と同じくらいの上がり3ハロンの末脚を使う事ができる、というパーフェクトなレース運びで連勝を続けていますから、初コース・初距離という克服すべき課題があったとしても、大崩れする事はないのでは?と予想しています。